イラクディナール投資を継続するべきなのか?(2)

日本経済不況の危機と備え

前回の記事(イラクディナール投資を継続するべきなのか?(1))で触れた世界的なデリバディブの経済リスクと日本国内の経済リスクの両方の視点から今後の投資に役立つ内容をお届けします。

デリバディブのことは、あなたは詳しく説明できますか?

例えば、海外旅行に行く際、成田空港で日本円を米ドルやユーロに換えると思いますが、この行為を「外国為替」といいデリバディブのひとつでもあります。
もともと、外国為替というのは、多国間で「貿易」をする際にA国の商品をB国の通貨と交換する仕組みです。
しかし、現在ではもともと貿易のために始まった仕組が、貿易以外の外国為替=デリバディブが膨れ上がっているのが実情です。
その規模は、GDPの約10倍にもなっています。(2016年の国内GDPは505兆円なので約5000兆円規模)
そして、世界全体のデリバティブ残高は60000兆円(6京円)まで膨れ上がっており、仮に破たんすると世界恐慌が始まるといわれています。
ちなみに、デリバディブには、ドルと円を交換する「スワップ」、3ヶ月後や6ヶ月後の株価がどうなっているかを予想する「先物」、将来売るかもしれない権利に保険をかける「オプション」の3パターンがあります。

前回の記事(イラクディナール投資を継続するべきなのか?(1))の通り中国不動産バブル崩壊の危機や前述のようなデリバディブによる世界恐慌のリスクなど「金融投資」におけるリスクは今までにないほど高まっています。

一方、日本経済は今後、どうなっていくと思いますか?

実は、2020年代の10年間で日本経済が崩壊すると予測する論評があります。
そのリスクを6つに分けて説明します。

1.アフターコロナショック
⇒コロナ禍の間にデジタルトランスフォーメーションの加速によって企業内の経費の削減が行いやすくなりました。
ZOOMを用いた会議や打ち合わせの常態化によって「出張費」「交通費」「人件費」「外注費」が効率的に見直され、削減されつつあるのは想像の通りだと思います。

2.トヨタショック
⇒2030年にはガソリンを用いた車はこの世の中からなくなっていきます。代わりに電気自動車や自動運転車が当たり前になります。
この流れにトヨタが乗り遅れ、また世界の競合に勝ち抜くことができなかった場合、日本のお家芸である自動車産業の衰退が始まります。

3.アマゾンショック
⇒「アマゾンエフェクト」といってアマゾンが成長すればするほど他の産業の脅威となり周辺産業に大きな打撃を与えます。
既にアメリカでは大きな産業問題になっており、例えば日本におけるセブンイレブンといったコンビニにおいて顧客は買い物カゴに商品を入れて店を出るだけで自動的にQRコード決済ができてしまう極めてシームレスなショッピングエクスペリエンスを実現。これはすでにアメリカで始まっていることであり、日本のリテール市場を寡占するコンビニエンスストア領域の衰退が始まってしまう可能性があります。

4.気候変動ショック
⇒2020年代にはさらに気候の変動が進み、東京都の不動産価値に変化が起こります。
気候の変動により首都圏は、夏季に猛烈に気温が上がり、涼を求めて北の地域へ住居を移す流れが加速する可能性があります。
これにより東京を中心とした首都圏の不動産価値が目減りし不動産業界の不況が始まる可能性があります。

5.人口動態ショック
⇒2030年問題として「超高齢化社会」に突入し、850万人の労働人口が不足するといわれています。
これにより移民制度によって他国の労働者が増え、益々、働き口が失われる可能性があります。

6.デジタルチャイナショック
⇒中国のデジタル化が急速に進み今やIT大国のアメリカですら中国に遅れをとりつつあるテック領域があるほどです。
飲食店では人を雇わずに調理や配膳をAIロボットが行ったり、空飛ぶタクシーの開発が進んだり…これらはすでに実現可能な商業ベースにフェーズが進んでいます。
産業の65%は常に新陳代謝を繰り返しイノベーションが起きて新しい価値提供がなされます。残りの35%の産業は、細々と残存します。これを「残存市場」といいますが、共産主義の中国に対して民主主義で決められない政治が蔓延する我が国「日本」は今後、世界的に見ても極めてパイが小さいローテクの残存市場でしか生き残れない可能性があります。

いかがでしたか?
気候変動ショックは、人類が生み出した産物。
人口動態ショックは、日本政府が生み出した産物。
それ以外は、すべてデジタル・イノベーションが生み出した産物。

といえるかもしれません。

あなたは、こうした日本でどのように「金融投資」や「事業投資」を進めていきますか?
僕は、気候変動ショックも人口動態ショックもデジタル・イノベーションによる影響もすべて受けない投資先がイラクディナールだと考えています。
色々な角度からイラクディナール投資の可能性についてこのブログで考察しています。ご参考になれば幸いです。

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