イラクディナールの優位性を石油資源から考察してみた

近現代史から考察するイラクディナール

イラクという地域は、昔より農作物が良く育つ土壌として「恵まれた土地」と言われ、領土侵略の歴史を辿ってきました。
近現代史では、石油資源を巡る紛争地域としてその名が知られています。

イラクは、サウジアラビア、カナダに次ぐ世界第3位の石油資源保有国です。
2030年にはイラクの石油輸出量が世界第2位の規模になると予測されています。
世界第1位のサウジアラビアが国内需要の高まりによって輸出をしながら輸入にも頼る自体が予測され、人口増加が著しいインドが世界第2位の原油(地下から採取されたままの状態の石油)輸入国になるのは2030~2035年にかけてと予測されています。

世界中からイラクの石油資源を求める状況が刻一刻と迫っています。

なぜ、世界中からイラクの石油が注目されているのかご存じですか?

第一に、確実な埋蔵量が確認されていること。
第二に、探鉱リスクが極めて小さく、生産コストが極めて安価なこと。
第三に、世界中で石油開発はほぼ開発し尽くされていること。

先進国では、石油に頼らない自然エネルギー開発が急ピッチで進められていますが、一番の問題は生産コストが高いこと。
例えばアメリカのシェール・オイル革命によって石油に代わる自然エネルギーの誕生との期待が高まりましたが、生産コストがあまりにも高いため、石油を脅かすエネルギー資源にはなりえていません。
一方、イラクの石油は、シームレス・パイプラインで掘削をすれば自噴してくるため、単純に石油を吸い上げるだけでいいので生産コストが低いのに対して、シェール・オイルは、大量の水を注入しながら水圧破砕することで石油を追い出す手間がかかってしまいます。

このようにイラクの石油には、世界の中でも類を見ない「価格競争力」があるおかげで、今後のイラク経済を強力に下支えする資源であることは間違いありません。

実は、この石油資源のおかげでイラクディナールの価値が高騰する可能性があると僕は考えています。

隣国のクウェートで使われている「クウェートディナール」は、米ドルに対して世界で最も価値のある通貨としてその地位を獲得しています。
理由は、石油資源、すなわち世界市場への大量の石油輸出によってその価値を高め続けているからです。
前述の通り、イラクにおいて少なくても2030~2035年にかけて世界市場への大量の石油輸出によってその価値が高確率で高まっていくと予測されます。

”戦争はビジネスである”という通説にならえば、アメリカを中心とした多国籍軍とクウェートを占領したイラク軍との戦い(=湾岸戦争)の終結後、米ドルに対して世界で最も価値のある通貨となった「クウェートディナール」の経緯を考慮すると、やはり”戦争はビジネスである”という通説が現実帯びてきます。
この戦争で経済的に誰が得をしたのかは、言うまでもありません。

では、昨今のイラクにおける紛争で得をするのは誰なのか?は、あくまで憶測ですが「中国」であると僕は考えています。

中国の一大プロジェクトである「一帯一路」計画。
これは「21世紀のシルクロード」と呼ばれ中国からアフリカに至る広域経済圏を構築する壮大なインフラ建設プロジェクトです。
中国にとってこのプロジェクトにおけるメインパートナー的存在が「イラク」です。
(イラクにとって中国は最大の貿易相手国であり、中国にとってもイラクは2番目の原油輸入国)

今後、中国とイラクの蜜月関係が石油価値のコントロールを独占的に行うようになるかもしれません。
石油の需要と供給のバランスが崩れ始める2030~2035年にかけて高騰する可能性がある「イラクの石油」という資源は、米ドルに対して世界で最も価値のある通貨としてその地位を獲得した「クウェートディナール」のように『イラクディナール』こそが人民元に対して世界で最も価値のある通貨としてその地位を獲得する可能性は大いにあります。

イラクディナール入門ブログ009
(引用:通貨に関するデータはMorningstarより)

あなたは、既に東アジア(中国大陸)から世界が変わりはじめていることに気づいていますか?
僕は、イラクディナールが第二のクウェートディナールになることを期待しつつ引き続き今もイラクディナールを買い進めています。

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